酪農家のデメリット

×高い初期投資

酪農を始めるには、何かと多額の初期投資が必要です。牛舎や機械設備、さらには牛自体の購入費用など、数百万円単位の出費が待ち受けています。

これが出発点からの大きなハードルとなり、志を持った若い世代が酪農の世界に飛び込むのをためらわせてしまいます。さらに、この投資は一朝一夕で回収できるわけではなく、長期的な計画が求められます。

×過酷な労働環境

酪農家の仕事は、想像以上に過酷な労働環境です。天候に左右される外作業、早朝からの搾乳作業、そして家畜の健康管理など、休む暇もない日々が続きます。

週末や祝日も、牛たちの世話があるため、自由時間はほとんど皆無です。このような厳しい生活に耐えられる人は意外に少ないのが現実です。

×市場の変動リスク

酪農家は、商品価格の変動に大きく影響される職業であり、予測不可能な市場の変動リスクにさらされています。乳製品の価格が下がると、収入が大幅に減ることも珍しくありません。

この不安定さがない地域や職業もある中で、常に価格の波に翻弄されるのは、精神的にも非常に辛いものです。

×動物福祉の問題

最近の社会情勢では、動物福祉に対する視線が厳しくなってきています。酪農家はしょうがなく大きな動物福祉の責任を背負うことになり、常にその対応に追われることになります。

顧客からの要求も高まり、ただ乳を生産するだけでなく、動物たちの生活環境の改善にも取り組まざるを得ません。こうした負担は、精神的なプレッシャーとなり、酪農家にとって苦労の種となります。

×世代交代の難しさ

最後に、酪農家にとって世代交代の問題も見逃せません。特に後継者不足は深刻であり、多くの酪農家がこの問題に直面しています。

若者が酪農の厳しさを知っていると、なかなか後を継ごうとはしないのが現実です。これが地域の酪農業を存続させる上で大きな障害となり、歴史ある家業が消えていく可能性も秘めています。